「クーリング・オフ」とは、契約をした後、消費者に冷静に考え直す時間を与え、一定期間であれば無条件で契約解除ができる制度です。
なぜ設けられたのか!
お客様が出向いて購入する場合とは異なり、受け身の立場で契約することになるので、購入する意思が明確でないこともありえます。
また、販売員とお客様とでは商品に関する知識などに差があることがほとんどです。
その差を埋めるため、消費者保護の制度として「クーリング・オフ」は設けられました。
今回は、ネットワークビジネスの法規制やクーリング・オフについて詳しく解説していくんだブ~
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ネットワークビジネス(連鎖販売取引) のクーリングオフ
特定商取引法の規制対象となる連鎖販売取引とは?
特定商取引法は、「連鎖販売業」を次のように規定しています。
- 物品の販売(または役務の提供など)の事業であって
- 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
- 特定利益が得られると誘引し
- 特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
引用元:特定商取引法ガイド
具体的には、
- 「この会に入会すると売値の3割引で商品を購入できるので、他人を誘ってその人に販売すれば儲かります」
- 「他の人を勧誘して入会させると1万円の紹介料がもらえます。」
などと勧誘し、取引を行うための条件として1円以上の負担をさせる場合であれば連鎖販売取引に該当します。
ビジネスに不慣れな学生や会社の上司からの誘い、主婦の間で広まることが多く、友人や知人を紹介するとその人に経済負担を負わせることになり、人間関係に支障がでることもあります。
「必ず利益がでるので儲かる」などと誤解を招くような話術を使いながら話す例もあり、本当に儲かるんじゃないかと勘違いしますが、現実は思惑通りにも儲けることは困難なようです。
中には消費者金融を利用してまで契約を結ぶケースもあります。
主な商品
大半は「安全」、「環境に優しい」、「健康に良い」などを売りに洗剤、健康食品、健康器具、浄水器、鍋、食器、補正下着 羽毛布団などの再販売が多いようです。
近年では、ネット上で商品を購入したり、仮想通貨を取り扱ったり仮想店舗を運営する連鎖販売取引もあるようです。
ネットワークビジネス(マルチ商法)の連鎖販売取引に対する行政規制
ネットワークビジネス(マルチ商法)は、特定商取引法によって、色々なルールや勧誘時の禁止行為が定められています。
違反した事業者は、業務改善指示や業務停止命令などの行政処分を受ける可能性があるほか、罰則の対象にもなります。
どのような内容が定められているのか、見ていきましょう。
勧誘前の氏名などの明示ルール
ネットワークビジネス(マルチ商法)の勧誘に先立って、勧誘者などの氏名・連鎖販売取引である旨・商品や役務の種類を消費者に対して告げなければならないという規制があります。
そのため、ネットワークビジネス(マルチ商法)であることを隠して「会わせたい人がいる」などと言って、呼び出すことはこのルールに違反します。
勧誘を行う際の禁止行為
勧誘を行う際に嘘を本当のことのように伝える「不実告知」や、都合の悪い情報(事実)を隠して伝える「事実不告知」は禁止行為になります。
また、勧誘時や契約締結後に相手を威迫して契約解除を妨げることや、キャッチセールスなどで誘った消費者を公衆が出入りできない場所で勧誘することなども禁止されています。
広告におけるルール・禁止行為
ネットワークビジネス(マルチ商法)の広告では、取引に伴う特定負担に関する事項など、法で定められた内容を表示しなければなりません。
また誇大広告や、承諾のない消費者へ電子メール広告を送信することも、禁止されています。
書面交付のルール
特定商取引法では、一定事項を記載した書面を消費者に交付しなければならないとしています。
契約締結前には「概要書面」、そして契約締結後には「契約書面」の交付が必要です。
クーリングオフについて
クーリングオフ期間はネットワークビジネス(マルチ商法)の際、消費者が契約した場合でも、業者(会員等)から法定の契約書面を受け取った日(再販売目的の商品の引き渡しの方が後である場合は、その日)から数えて20日以内であれば、消費者は連鎖販売業を行う者に対して、書面によりクーリングオフをすることができます。
尚、契約書面を受け取っていない場合はクーリングオフ期間は進行しません。
また、連鎖販売取引の場合、クーリングオフ期間である20日間が過ぎてしまった場合でも一定の解約料を支払えば理由のいかんを問わず解約できる中途解約制度があります。
注意点
クーリングオフ期間の始まりは、業者から、法定の契約書面を受け取った日(商品の引き渡しの方が後である場合はその日)を1日目(初日算入)となります。
業者にクーリングオフする旨の書面を発信した時点で、クーリングオフ期間内であれば、業者に解約の意志を伝えたことになります。
クーリングオフ通知書面を発信した時点が期間内であれば、業者に書面が到達した日が20日間を過ぎていてもかまいません。
クーリングオフ行使のポイント
クーリングオフは書面によってしなければなりません。
また、あとあと「解約した、してない」のトラブルにもなりかねませんので、クーリングオフ期間内に解約したという証拠も残しておくことも必要です。
そのようなトラブルを防止するためにも、解約する場合は期間内に送ったという証拠になり文章の内容を証明してくれる「内容証明郵便」を利用すると確実です。
その際は、配達証明を付けてください。
また、クレジット契約もしている場合、大抵の業者であればクーリングオフした場合、信販会社に通知するのですが、念のため信販会社にも連絡をし、少なくとも書面により通知した方が、より確実です。
その他、ネットワークビジネス(マルチ商法)で、商品購入契約のさいの多くは、代金を既に支払っていたり、甘い話から消費者金融・サラ金等から借金をしてまでも支払っていたりします。
クーリングオフをした場合、業者は既に受け取ったお金は速やかに返金しなければならない事になっていますが、現実は、催促するまで返金がないなど返金が非常に遅い場合があります。
効力
現状回復義務は契約者、事業者の双方が負うことになりますので、事業者は、支払われた代金、取引料を返還するとともに、消費者は引渡しを受けた商品を事業者に返還しなければなりません。
- 違約金や損害賠償請求→請求されない
- 商品の引取り・権利の返還に要する費用→業者負担
- 消費者が支払った一部の代金または対価→消費者に返還
- すでに引き渡しを受けていた商品→業者に返還
クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合
中途解約制度
連鎖販売取引(マルチ商法)には、中途解約制度があり一定の条件を満たせば、将来に向かって商品販売契約を解除できます。詳しくは→中途解約制度
契約書面について
- 「重要事項に不備がある(クーリングオフに関する事項が記載されていない)」
- 「虚偽の記載がある」
- 不実告知・威迫により誤認・困惑してクーリングオフしなかった
業者が事実と違うことを告げたり威迫したことにより、消費者が誤認・困惑してクーリングオフしなかった場合。
→クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合
事例
友人から「健康食品や器具の販売やってみない?」といわれ、説明を受けました。
その説明によると、商品を1つ購入して会員になり、会員となる次からは商品を買い受けて販売すればマージンがもらえ、会員を増やすと地位が上がりマージンの額も増えるというものでした。
興味本位で契約したものの、販売する自信もなく解約したいのですが・・・
回答:
商品を購入するか、あるいは一定の取り引き料を支払って会員となり、そして会員を勧誘すればするほど地位が上がり、その会員の販売した商品の利益から利益の分配を受けられるという商法で俗にマルチ商法といわれるものです。
連鎖販売取引自体は法律で禁止されているわけではありませんが、会員が取引料が必要であることなどの重要な事実を隠して勧誘したり、商品の特性などを偽って勧誘する行為を禁止して、罰則をもうけています。
また、その友人の勧誘が事実の不告知や不実の告知を含んだものであるならその勧誘は特定商取引法の規制対象となります。連鎖販売取引の定義の詳細
MLM(ネットワークビジネス)の営業停止処分。 MLM(ネットワークビジネス)大手でもよくこの手の処分がくだされます。 どうして? MLM(ネットワークビジネス)は違法じゃないんでしょ? なのにどうして営業停止されるの? MLM(ネットワークビジネス)はやっぱり違法なんじゃ?
年のMLM(ネットワークビジネス)業界での大きな行政処分と言えば2017年に処分が下されたMLM(ネットワークビジネス)企業の国産大手でたFORDAYSが記憶に新しいと思います。 6ヶ月もの営業停止になった事で業界に激震が走りました。 何故ならば、この企業のディストリビューター達はこぞって、政府とのコネクションもあり、真面目にやっているから行政処分は絶対に無いと豪語していました。 それにも関わらず業界3位の、この企業は行政処分になってしまったのです。
ネットワークビジネスクーリングオフ まとめ
ネットワークビジネス(マルチ商法)においては、勧誘者が法規制を守っていないことも多く、クーリングオフ期間を過ぎても解約・返金が認められることも少なくありません。
しかし、被害者が個人で交渉しても、業者側に太刀打ちできないことも多いでしょう。
そういったときには、弁護士に相談して交渉を任せるなど、おひとりでトラブルを抱えないようにすることが大切です。
自分だけで解決できなければ家族や友人に相談しましょう。
公的な相談先としては国民生活センターがあります。
ネットワークビジネスやねずみ講に限らず、消費者問題に関して無料で相談できる機関なので、どうして良いかわからなければ相談してみると良いでしょう。
最後にMLM (ネットワークビジネス)の勧誘は罪犯か否か
正直に、MLM (ネットワークビジネス)の企業は犯罪に⼿を染めているわけではありません。
ただ、本当に⼀部の常識のない⼈達の⼼ない⾏動が、犯罪だと⾔われ、真⾯⽬に活動している⼈の活動が出来なくなっている。
そのような状況のようですね。
実は、MLM (ネットワークビジネス)に関わっている⼈は相当数います。
犯罪めいた、あくどい活動をしているネットワーカーは、全体からみるとほんの⼀握りの⼈だと⾔えます。
⾊んなモラルの基準を持った⼈が関わっているんです。
どんなに、勧誘の⽅法を教育したとしても、⼈のやっていることですので、勧誘のやり⽅が犯罪めく⼈も、出てきてしまうのかもしれませんね。
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